奈落の底2007年09月25日 22時05分29秒

自宅最寄り駅の地下鉄。深さ100メートルぐらい
 些細な事でも置かれた状況によってはすごくうれしく思えるときがある。度々話題にしたビザとレギストラーツィア(レギ)の手続きが昨日、やっと延長の申請が終わったのがそれだ。単に申請が終わっただけで、新しいビザができあがったわけではないが、今のビザが切れる3日前になんとか終えられたので本当にほっとした。徹底的に「不便」な状況を与え続けられると、ちょっとしたうれしさが増幅し、大きな幸福感をもたらす・・・。もちろんうがった見方だが、これが社会主義流の統治テクニックかと思わざるを得なかった。ちなみに新しいビザとレギは早くても3週間ぐらいかかるという。ふぅ、まだ手続き続くのか。

 手続きの話は終わりにして、今回は地下鉄の話。モスクワの地下鉄はとにかく深い。場所によっては100メートル以上も潜っていると思う。冷戦時代、核戦争が起きた場合にシェルターとして利用するためにこうした構造になったらしい。

暗いトンネルを延々エスカレーターで下っていくと、いつも奈落の底に吸い込まれそうな気分になる。ところが、最近、本当に引きずり込まれていることに気づいた。実は、エスカレーターの階段部分と手すり部分の進むスピードがそれぞれ微妙に違うのだ。手すり部分が微妙に早い。長い距離を下っていくと体側に置いていた手がいつの間にか前に引っ張られ、つられて体が前につんのめりそうになる。

 最初は長い距離によって無意識につんのめっているのかと思っていたが、本当に引っ張られていたとはちょっとした驚きだった。なぜこうしたスピードの「ずれ」が生じるのか。エスカレーターの距離が長いから誤差が次第に大きくなった結果なのか、あるいは構造上の欠陥なのか。モスクワで知り合った日本人は「古いから、できが悪いだけだよ」と切り捨てた(笑)。

それにしても、この「奈落の底」に向かう長いエスカレーターを駆け足で下っていくモスクワの人たちには感心する。さすがに登りともなると頑張れる人は少なくなるが、中には駆け上がる人も。ちなみに歩かない人はエスカレーターの右側にいるルールで、これは日本の関西方式と同じ。

地下鉄の中では、女性やお年寄りに席を譲る乗客の姿を頻繁に見かける。大いに見習うべき部分だ。